「うーん、か……加茂本阿弥(かもほんなみ)」
「み……禊萩(みそはぎ)」
「ぎ、ぎ……うーん、“ぎ”から始まるのって、あったかな?」
「濁音は変えてもいいと言っただろう。でないと限定的なしりとりではすぐ続かなくなる」
「うん、じゃあ京鹿子(きょうがのこ)」
「こ、小手毬(こでまり)」
「り……り、利休梅(りきゅうばい)」
「い、い……あったか?“い”から始まる……」
「え?あるよね?私、とりあえず1個だけなら思いついたよ」
「少し待て、い……」
「うーん、ヒントは地名」
「待て、もう少しで…………伊予水木(いよみずき)だ!」
「うん、そうそれ。私、今のところ“い”ではそれ以外特に思い浮かばないなぁ」
「次、だぞ。き、だ」
「き……さっきも“き”って私だったよね」
「“き”なら色々あるじゃないか」
「うん……そのはずなんだけど、何だか出てこなくなっちゃって……」
「あるだろう、例えばさっきの京鹿子と同じバラ科の多年草で……」
「あ、駄目だよ蓮二君。そんな風に言ったら混乱するってば」
「他にも同じバラ科でキイチゴ属の―――」
「あっ、蓮二君、今、答え言っちゃった……」
「……すまない、つい」
「もう…………あっ、でも何だか普通に出てきた。桔梗(ききょう)」
「“う”か……雲龍柳(うんりゅうやなぎ)」
「ぎ?蓮二君、その、もしかしてわざとなの?私、また“き”なんだけど」
「いや、別にそういうつもりは……」
「2人とも、お迎えが来てますよー」
「「はーい、今行きます」」
迎えが来るまでの今日の暇潰し、『茶花しりとり』。
- end -
2009-11-09
茶花というのはその名の通り、茶席に飾る季節の花のことです。
これは恐らく出会ってから数年経った小学校中学年くらいの頃でしょうね。出会ってから暫く経ったら自然とお互いに名前呼びになってます。
参謀が何気なくこういう子供っぽい遊びを普通にしていたら可愛いなぁと思うのは私だけでしょうか?
まあ、普通よりかなり難易度が高く、教養の必要な遊びになってはいますが。